第2回指揮法クリニックの受講者選抜が完了いたしました。
ここに保科洋からの選考についてのコメントを公表いたします。
落選された方には大変申し訳ございませんが、ぜひ聴講またはプレイヤーとしてのご参加をご検討いただきますよう、お願いいたします。
今回の選抜に際し、57名の中から10名を選ぶのは大変難しいことでした。すべてのみなさまが大変な情熱を持って応募され、学びたい意思や目的を語ってくださいました。
それゆえ、不合格の方は一人もおりません。時間が許すなら、全ての方を採用したかったというのが偽らざる本音です。
たった数十文字のPR文章から10人を選ぶので最善の選択という自信など持てませんが、皆さまのコメントを何回も読み比べ、全体のプログラム構成や各クラスの人数バランス、また今後このクリニックをどのように発展させていくか、そのためには今回はどのような方に壇上に立っていただくのが良いか、といったようなことを総合的に判断した上で選ばせていただきました。
選ばれた10名の方は、決して全員が優秀だから選ばれたのではなく、むしろその逆で、クリニックとしてどのような「欠点」をみなさまの前で修正し、その情報を共有するか、というビジョンが見えたために採用した、という方もおられます(それだけではなく、ほかにもさまざまな基準で選んでいますが)。あくまで講習会として聴講される皆様への講義が主目的であり、受講者のみなさまは良きにつけ悪しきにつけ、そのサンプルモデルとして登場していただく、というのがこの講習会のコンセプトです。
(余談ですが、この講習会はプロの指揮者を目指す方へのものではありません。アマチュアのしかも若い子供たちにいかに質の高い音楽を伝えるか、を真剣に考えている指導者を育てたいというのがこの企画の発端ですので、選考もその目的に沿ってさせていただきました。また、高齢のため個人レッスンは全てお断りしています。短時間で多くの方に情報を伝達できる講習会という形が唯一今の私にできる形態であることをご理解ください。)
また、昨年もそうでしたが、クリニックの結果1年でどのくらい指揮が変わったかを拝見させていただくため、2回つづけて選抜された方がいらっしゃる一方で、2回続けて落選された方もおられます。これも、今後クリニックをどのように発展させていくか、試行錯誤の一環ですので、落選された方々には本当に申し訳ございませんが、ご理解いただければ幸いです。
とはいえ、その人選がベストであったかどうかは誰も判りません。今後の話をしながら矛盾しておりますが、この講習会をいつまで続けられるか、私自身高齢ゆえ先が見えないのが実情です。しかし、体調と予算やスタッフの確保などの条件が許せば、次の機会を設けたいと思っております。
もしも私の指揮や音楽作りに興味・関心を持っていただいているのでしたら、ぜひ一般聴講かプレイヤーで参加をして下さい。それでも十分私の考えは理解できると思いますし、そのための公開クリニックです。
私自身も、今の指揮法にたどり着くまで、ひたすら自らの指揮姿を録画して確認し、どうすればより効果的にプレイヤーに私の意図が伝わるかを試行錯誤して矯正する、ということを繰り返しました。
本当の指揮の先生は、私ではなく、皆様ご自身だということを実感できる講習会にするつもりです。
保科洋